ようこそおいでくださいました。
当社は秋田県二ツ井町切石地内のゼオライト鉱床を採掘し、製造販売している会社です。二ツ井から切石へ向かうと、米白橋の左側に白く削り取られた山肌が見えてきます。この山が切石の地名のルーツ“石切山”です。
 
「切石」という地名は古く、江戸時代に入って間もない頃に使われ始めたといわれていますが、すなわちそれ以前から採石は行われていたと推測され、当時は全国から石工職人が集まっていたみたいです。その頃は加工のしやすさから、門柱、石段、流し台、炉石、基礎や蔵の材料、墓石や鳥居など様々なものに使われて生活に密着していましが、昭和37年、秋田大学鉱山学部 本多朔郎教授(※)の調査によって、多量のゼオライトが含有されていることが発見され脚光を浴びたものです。

また、このゼオライトは、品位・構造・埋蔵量ともに本邦一の内容であることが判明しました。塩基置換容量(C.E.C)は我が国のゼオライト中、最高級の数値を示し、そして、完全な高温焼成処理(一次、二次ともに450℃で二度乾燥)による徹底した品質管理で高い評価を得ております。

そのようなことから我が社は、
   1.農畜産物の増産
   2.公害防止
   3.化学工業の発展
等、人類の生活に大いに寄与する事を目的にしております。地球規模のあらゆる環境に優しい未来商品「サン・ゼオライト」の製品をお試しください。
 
地 学 雑 記(6)
粘土質資源とのかかわり(その二)
本 多 朔 郎※
まえがき−天然ゼオライト(資源)

 ゼオライトは和名を沸石という鉱物である。鉱物を天然物に限定し、人工的に合成したものはすべて人口鉱物とする定義がある。それに従うと合成されたゼオライトは人工または合成ゼオライトと呼ばねばならない。


 Al2O3の組成物は天然産をコランダム、合成物をアランダムというように区別されており、また近年カオリンやスメクタイトなどの粘土鉱物も工業的に合成される時代になったが、それらは「人工カオリン」とか「合成スメクタイト」と呼ばれ天然物と一応区別されるのが普通である。

 しかるに、ゼオライトはその合成技術が開発され工業的に生産、大量に利用される合成ゼオライト工業という分野が確立されるに至った現在、ゼオライトは合成物を指すようになった感がある。すなわち、ゼオライトだけでは天然か合成か判然としなくなった。そこで、近年は合成物と区別するために天然ゼオライトまたは天然ゼオライト資源という言葉が使われはじめ次第に定着しつつある。本来なら逆のはずであるが主客転倒が起こった。これは産業界における一種の力関係に起因する興味ある現象であろう。従来は、ゼオライト岩、含ゼオライト岩、ゼオライト資源などが用いられており、この方が実体をよく表していると考えられる。

 しかし本文では、大勢に従って天然ゼオライトまたは天然ゼオライト資源を用いる。

 秋田県は国内外を問わず天然ゼオライト発見史上深いかかわりをもつとともに、山本郡二ツ井町や藤里町、県南の皆瀬地区に大規模な鉱床の存在が確認され、学・業界では早くから注目されたところである。

 天然ゼオライトは広く産業界の関心を集めるようになってからすでに30年以上経ち、その間に多くの研究論文やすぐれた解説書が出版されている。ごく最近も後述のように日本学術振興会鉱物新活用第111委員会編「天然ゼオライトの特性と利用」という大著が上梓された。

 本文でゼオライト一般の解説をすることは屋上屋を架することになるが、関係者の一部には依然として誤解や理解不足がみられる。そこで正しい認識を得るために少しでも役に立てばと考えて本文をまとめたが、なるべく既刊の解説書では触れられていない事項に重点をおいた。

 

 >>つづく