ゼオライトとは?

 ゼオライトとは白色又は無色透明の珪酸塩(含水アルミノ珪酸塩)に与えられた名称であり、結晶中に空洞を数多くもつ多孔質の物質で、この構造により、さまざまな物質を結晶構造の中へ取入れたり、或いはまた、その結晶内の物質と結晶外の物質とを交換し合うという性質を持っている。この天然ゼオライトの結晶中の空洞には、結晶水(沸石水)が含まれていて、これを脱水することによりゼオライトの持つ特有の性質をいかすことができる。しかし、乾燥のしかたで脱水が不充分の場合は性能が十分にいかしきれないと言われている。


 ただし、天然ゼオライトの構造はある一定の温度で破壊され組織が変わっていくため、組織が破壊されることの無い高い温度で完全焼成処理されなければならない。このことは、出来るだけ熱に強いゼオライトでなければならないということにもなります。これは、脱水によって結晶構造が破壊されることなく、水分があった箇所はそのまま空隙として残りスポンジ、海綿、蜂の巣のような構造となり、この空隙に再び水分やガスを吸着、交換するためである。



 ゼオライトが吸着剤として用いられるのはこの特有の性質があるからであるが、その効果は、あの活性炭の数十倍。脱臭、除湿(調湿)、保温、抗菌など数々の優れた特性で、様々な分野で使われ注目を浴びている。そして、これらの吸着、交換能力はゼオライトの持つ化学的性質である塩基置換容量(C.E.C)による。(C.E.C)とは、天然ゼオライト中に含まれる陽イオン(Naナトリウム、Kカリウム、Caカルシウム,Mgマグネシウム)量のことを意味するが、この陽イオン量が多いほど交換能力に優れていることとなる。


 また、陽イオンが多いほど純度が高いということになり、仮に純度100%のゼオライトは陽イオン量が100g当り213ミリグラム当量といわれているが、陽イオン量を調べることにより純度も逆算できる。しかし、埋蔵されている鉱床にバラツキがあったり、不純物が多く含まれていると純度にもバラツキが出るためC.E.Cが低下する、よって鉱床の安定性と均一性が要求されることとなる。


 また、ゼオライトの特性には物理的特性があるが、当社クリノプチロール沸石は、耐水性においても極めて優れている。
(しかし、クリノプチロライト間においても品質差は極めて大きい。)


これらから水処理にはクリノプチロライトが主として使用されるのであるが米国の文献に於いても水処理用には専らクリノプチロライトが記載されている。

●Clinoptilolite of possible Economic Value in Sedimentary Deposits of the Conterminous United States-United States Government Printing Office ,Washington:1971

●Erionite and Other Associated Zeolite in Nevada-by Keith G,Papke University of Nevada

●Nitorogen Control-Environmental Protection Agency Technology Transter 等


 イオン交換反応はイオン交換体のイオンの選択性を利用して対象とするイオンを吸着し、代わりのイオンを放出させる反応である。イオン交換体には多数の交換基があり、この交換基は常に何らかのイオンを有している。この交換基にはイオンに対して好き嫌い(選択性)があり、いま握っているイオンより好きなイオン、つまり選択性の高いイオンがあると今まで握っているイオンを捨て、選択性の高いイオンを握る性質を有している。
そして、ゼオライトのイオン交換体は特異なイオン交換特性を持っており、アンモニウムイオンに対して高い選択性を有していることが知られている。

 ・脱 臭
 ・除 湿(調湿)
 ・保 温
 ・抗 菌
 ・触 媒
  その他、様々な用途に使用できます。

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